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キッチンカーで気を付けたい車両トラブルと事故予防のヒント

この記事を書いている人

あいあんクック社長 竹内 晋

平成3年創業、キッチンカーのパイオニアあいあんクック(AIAN COOK)社長

創業以来これまで1000台超えるキッチンカーを手掛けてきた竹内。
キッチンカーの制作販売だけでなく自らのたこ焼きのキッチンカーで得た経営のノウハウを活かし、多くのキッチンカーオーナーの開業支援も行ってきました。
決して甘くないキッチンカーの独立開業に役立つ情報を、少し厳しい言葉もありつつ愛をもって、
これからキッチンカーでの開業を考えている方、既にキッチンカーを営業されている方のお役に立てる情報を発信していきます。

目次

キッチンカーを運営する上で避けて通れないのが車両トラブルと事故です。この記事では、キッチンカーの運用中によく発生する車両のトラブルや事故の原因とそれを予防する具体的な手順を提供します。適切な点検と事故予防対策を学び、安全かつ効率的にキッチンカーを運営するための知識を深めましょう。

1. キッチンカーの主な車両トラブルとその原因

トラブルの種類 可能性のある原因
エンジンの異常 オイル交換の怠り、エアフィルターの詰まり、点火プラグの老朽化など
ブレーキの不具合 ブレーキパッドの摩耗、ブレーキ液の漏れ、ブレーキラインにエアが入る
電気系統の故障 バッテリーの消耗、配線の劣化、ヒューズの断線

1.1 エンジントラブル

    • オイル漏れ

時間と共にエンジンのオイルシールやガスケットが劣化し、オイルが漏れることがあります。これを防ぐには、定期的にエンジンのオイルレベルをチェックし、必要に応じてオイルシールの交換を行います。

    • 過熱

ラジエーターの冷却液が不足しているか、冷却系統に問題がある場合、エンジンは過熱しやすくなります。定期的に冷却液のレベルをチェックし、漏れがないか確認し、必要に応じて補充または交換を行います。

1.2 ブレーキの不具合

    • ブレーキ鳴き

ブレーキパッドの摩耗が進んでいる場合によく発生します。新しいブレーキパッドに交換することで、ブレーキ鳴きを解消することができます。

    • ブレーキの効きが悪い

ブレーキ液が不足している、またはエアが混入している場合に起こります。ブレーキシステムのエア抜きとブレーキ液の交換を行うことで改善されます。

1.3 電気系統の故障

    • ヘッドライトの暗さ

バッテリーが老朽化して電力が不足している場合、ヘッドライトが暗くなることがあります。バッテリーの状態をチェックし、必要であれば新しいものに交換します。

    • 異常な警告灯

車のコンピューターシステムであるECUが故障している場合、誤った警告が表示されることがあります。ECUの診断と修理を専門のメカニックに依頼します。

2. キッチンカーで発生しやすい事故の種類

2.1 移動中の交通事故

キッチンカーは商用車として多くの道路を使用しますが、その特性上、狭い道や見通しの悪い場所での運転が必要な場合が多く、一般的な交通事故のリスクと同様に、特有のリスクも抱えています。特に、大型車両との事故発生率が高く、死角による視認性の問題が原因で多くの事故につながっています。

また最近では過積載、スピード超過による若い方によるキッチンカーの事故が増えています。室内で立ち作業をするキッチンカーは軽トラックに背の高いタンスをいっぱい積んでるようなものです。風の影響も受けますし、障害物にも注意しなければぶつかってしまいます。運転席に乗ってると、車の構造を忘れて、過積載、スピード超など、ついつい忘れてしまいがちです。特に、荷物(食材や、ガス、発電機など)は、運転する人の「任意」で判断することになります。判断というのは、売れるから積むではなく、乗せても、安全に走れると運転者責任で「判断」するということです。また、積む位置によっても、走行安定に影響を与えてしまうことは必然です。

キッチンカーを販売する立場からすると、キッチンカーの教習所があってほしいと思います。そのくらい、若い人の横転事故や、ブレーキで止まらずに衝突事故など、少なくないです。

特に、荷物を入れるときは、出入り口に偏りがちなので、重いときは、なるべく、前タイヤ側に載せ替えるくらい慎重に、重量バランスを、走り出す前に、運転者が確認すべきです。特に、キッチンカーでは、イベントなどで売れるからということで、ビールなどをめいいっぱい高く積み込んでしまうと、傾斜角度が浅い状態でも不安定になってしまいます。タイヤの空気圧や、サスペンションを(リーフ)増やすなど、追加改造も必要です。

事故の種類 発生原因 予防策
追突事故 急ブレーキや前方不注意 車間距離の適正確保
側面衝突事故 交差点での視認性の低さ 周囲を確認しながらゆっくりと進行
横転事故 過積載、スピード超過 積載重量、法定速度の順守

2.2 営業中の安全対策不足による事故

キッチンカーでの営業中は火や油、鋭利な器具を扱うため、顧客や周囲の人々に対するリスクも存在します。火傷や滑り、転倒など様々な事故が発生しやすい環境です。

2.2.1 火傷

  • 調理器具の誤操作や設備故障
  • 火元の管理不備

2.2.2 滑りや転倒

  • 床面の水分や油での滑りやすさ
  • 不適切な床材選択または清掃不足

これらの事故を予防するためには、営業前の安全チェックと教育の徹底が必要です。具体的には、すべての調理器具や設備の定期的な点検、適切な床材の選定と常に清潔に保つこと、そして従業員への安全に関する継続的な教育が挙げられます。

3. 車両トラブルや事故を予防するためのチェックリスト

点検項目 チェック内容 チェックの理由 頻度
エンジン 異音の確認、オイル漏れのチェック 異音は機械的な障害の初期兆候であり、オイル漏れはエンジン故障の可能性を示唆します。 毎日
ブレーキ ブレーキパッドの摩耗状況、ブレーキ液のレベル ブレーキの故障は重大な交通事故を引き起こす原因になり得るため、常に最良の状態を保つ必要があります。 週1回
タイヤ 空気圧の確認、摩耗状態のチェック 適切な空気圧と摩耗状態の確認は、転倒事故やスリップを防ぎ、安全運転に直結します。 毎日
電気系統 ヘッドライトとテイルライトの機能、警告灯のチェック 夜間や悪天候時の視認性を確保し、安全運転をサポートします。 週1回
消火器 有効期限と機能の確認 火災発生時の初期消火に不可欠であり、常に使用可能な状態を保つ必要があります。 月1回

3.1 定期的な車両点検

専門の整備士による定期的な点検を実施し、小さな不具合も見逃さないようにします。日本プロオートメカニック協会にて認定された整備士のリストを参考にすると良いでしょう。

3.2 運転技術の向上

安全運転講習を受講し、事故を未然に防ぎます。警察庁が提供する安全運転講習会に参加することで、運転技術の向上を図ることができます。

3.3 営業地点での安全確認

営業地点選定時は交通の流れや環境を考慮し、車両や歩行者の安全を確保します。特に狭い道路や人通りの多いエリアでは、事前のリサーチと現地での注意が重要です。

4. トラブル時の対処法

故障種類 応急措置 詳細な対応 専門業者への連絡方法
エンジントラブル 非常時用スターターキットを使用し、エンジンを再起動してみる スターターキットによる応急対処後、エンジンの異常音や警告ランプが消えない場合は使用を中止し、即座に専門の修理を依頼する 認定修理業者に連絡 JAF
ブレーキの不具合 応急ブレーキテープを使用し、ブレーキ力の低下を一時的に補助 ブレーキの効果が戻らない場合は、速やかに車両を安全な場所に停車させ、二次事故の防止を優先する 専門のメンテナンスショップへ車両を輸送し、詳細な診断と修理を依頼
電気系統の故障 バックアップバッテリーへの切り替えと、主要な電気機器の確認を行う 切り替え後にシステムが正常に動作しない場合は、主要な電気系統の接続確認とセキュリティシステムのリセットを試みる 電気系専門修理業者に依頼し、詳細な検査を実施

4.1 事故発生時の適切な報告手順

  • 現場を安全な状態に保持する
  • 警察への事故報告を行う
  • 保険会社への事故の詳細報告を促す
  • 救急車の必要性の評価と要請

5. まとめ

引っ越しで、軽トラックに荷物を積んでも、せいぜい、キャビンより高くは荷物を積まないと思います。
例えば、背の高いタンスを縦にめいいっぱい積んで高速を走ったらどうでしょう?
タンスがはずれやしないか? 車が傾きゃしないか?心配ですね。
室内で立ち作業をするキッチンカーは軽トラックに背の高いタンスをいっぱい積んでるようなものです。
風の影響も受けますし、障害物にも注意しなければぶつかってしまいます。
運転席に乗ってると、車の構造を忘れて、過積載、スピード超など、ついつい忘れてしまいがちです。
特に、荷物(食材や、ガス、発電機など)は、運転する人の「任意」で判断することになります。
判断というのは、売れるから積むではなく、乗せても、安全に走れると運転者責任で「判断」するということです。
また、積む位置によっても、走行安定に影響を与えてしまうことは必然です。
キッチンカーを販売する立場からすると、キッチンカーの教習所があってほしいと思います。
そのくらい、若い人の横転事故や、ブレーキで止まらずに衝突事故など、少なくないです。

次回は、傾斜角度についてお話します。

キッチンカーを運営するうえで、車両トラブルや事故のリスクは避けて通れない問題です。本記事で紹介したエンジントラブル、ブレーキの不具合、電気系統の故障といった一般的なトラブルや、移動中や営業中に発生しやすい事故に対処するための対策を適切に実施することは、安全かつ効果的なビジネス運営を支える基盤となります。トラブルや事故から身を守り、長期的に成功するキッチンカー業態を目指すためにも、これらのチェックリストと対策を定期的に見直し、適用することが重要です。

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