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【完全保存版】キッチンカー開業の手引き|初期費用から必要な許可まで全てわかる

キッチンカー開業の手引き_あいあんクック

この記事を書いている人

あいあんクック社長 竹内 晋

平成3年創業、キッチンカーのパイオニアあいあんクック(AIAN COOK)社長

創業以来これまで1000台超えるキッチンカーを手掛けてきた竹内。
キッチンカーの制作販売だけでなく自らのたこ焼きのキッチンカーで得た経営のノウハウを活かし、多くのキッチンカーオーナーの開業支援も行ってきました。
決して甘くないキッチンカーの独立開業に役立つ情報を、少し厳しい言葉もありつつ愛をもって、
これからキッチンカーでの開業を考えている方、既にキッチンカーを営業されている方のお役に立てる情報を発信していきます。

目次

キッチンカー開業を考えているものの、具体的な手順や必要な費用が分からず躊躇していませんか?本記事では、キッチンカービジネスを成功に導くための全てを解説します。初期費用の目安から必要な許可申請の手続き、車両選びのポイント、さらには効果的な集客方法まで、現役キッチンカーオーナーの経験を基に詳しく説明していきます。特に飲食店経験のない方でも理解できるよう、具体的な数字や事例を交えながら、準備から開業、そして収益化までのプロセスを完全網羅。移動販売車での独立開業を実現させるために必要な情報が、この1つの記事で全て分かります。昨今のコロナ禍での飲食業態としても注目を集めるキッチンカービジネスで、失敗しないためのノウハウを徹底的に解説していきましょう。

1. キッチンカー開業の基礎知識と準備

キッチンカーでの開業を考える方が近年増加しています。実際に開業を成功させるためには、基本的な知識と十分な準備が必要不可欠です。この章では、キッチンカービジネスの基礎から具体的な準備まで詳しく解説します。

1.1 キッチンカーとは何か

キッチンカーは、車両に調理設備を搭載した移動販売車のことです。食品衛生法では「自動車による営業」として定義され、飲食店営業の一形態として位置づけられています。

一般的なキッチンカーの種類は以下の通りです:

車両タイプ 特徴 向いている業態
軽自動車ベース 機動性が高く、初期費用が抑えられる ドリンク販売、軽食
1BOXベース 設備の充実度が高く、作業スペースが広い 本格料理、複数メニュー
トラックベース 大型設備の搭載が可能、販売量が多い イベント出店、大規模販売

1.2 キッチンカービジネスのメリットとデメリット

メリットとして、固定店舗と比較して初期投資を抑えられることや、場所を変えて営業できる柔軟性が挙げられます。一方で、天候の影響を受けやすい点や、調理スペースが限られることはデメリットとなります。

項目 メリット デメリット
コスト 固定費が低い 燃料費・車両維持費が必要
営業形態 場所の自由度が高い 天候に左右される
運営 少人数での開業が可能 作業効率に制限あり

1.3 開業前に必要なスキルと心構え

キッチンカー開業には、調理技術だけでなく、経営管理能力や接客スキルも重要です。以下のスキルの習得を推奨します:

  • 基本的な調理技術と食品衛生知識
  • 原価計算・収支管理能力
  • 効率的な作業動線の構築力
  • 天候変化への対応力
  • SNSマーケティングスキル

また、厚生労働省が定める食品衛生管理の基準を十分に理解し、実践できる知識も必須となります。

開業前の準備期間として、最低でも3ヶ月から半年程度の期間を設け、実地研修やテスト営業を行うことをお勧めします。この期間中に、以下の項目を重点的に確認しましょう:

  • 提供メニューの完成度
  • 作業時間と効率性
  • 原材料の仕入れルート
  • 営業場所の確保状況
  • 必要な許認可の取得状況

2. キッチンカー開業の初期費用と収支計画

キッチンカーの開業には、適切な初期費用の見積もりと収支計画が不可欠です。平均的な初期費用の総額は200万円から500万円程度となりますが、車両の状態や設備の選択によって大きく変動します。

2.1 車両購入にかかる費用

キッチンカー用の車両購入費用は、選択する車種や状態によって大きく異なります。

車両タイプ 価格帯 特徴
新車(軽トラックベース) 150〜200万円 維持費が安く、故障リスクが低い
中古車(軽トラックベース) 80〜150万円 初期投資を抑えられる
新車(1〜2トン車) 300〜400万円 店内での調理作業が快適
中古車(1〜2トン車) 150〜250万円 設備充実の既存車両も選択可

2.2 必要な設備と内装費用

基本的な調理設備と内装費用には100〜200万円程度の予算が必要です。

設備項目 概算費用 備考
シンク・給排水設備 15〜25万円 保健所基準適合必須
調理機器(業務用) 30〜50万円 メニューに応じて選択
冷蔵・冷凍設備 20〜30万円 食材の保管能力考慮
発電機・電気設備 15〜25万円 出力は全設備の消費電力確認
内装工事 20〜40万円 壁・床の加工含む

2.3 仕入れ費用と運転資金

開業後1〜2ヶ月分の運転資金として、最低50万円程度の確保が推奨されます。

項目 初月必要額
食材仕入れ 15〜20万円
消耗品 5〜8万円
燃料費 3〜5万円
予備費 20万円

2.4 月間収支のシミュレーション

東京都の経営実態調査によると、キッチンカーの平均的な月間収支は以下の通りです。

項目 金額 備考
月間売上高 80〜120万円 立地・メニューにより変動
原材料費 25〜35万円 売上の30〜35%
人件費 15〜25万円 アルバイト雇用の場合
固定経費 10〜15万円 車両維持費・保険等
変動経費 8〜12万円 水道光熱費・消耗品等
月間利益 20〜35万円 経費差引後

キッチンカービジネスを継続的に運営するためには、最低6ヶ月分の運転資金を確保した上で開業することをお勧めします。また、季節変動や天候の影響を考慮した資金計画が重要です。

3. キッチンカー開業に必要な許可と申請手続き

キッチンカー開業には、複数の許可と申請手続きが必要です。ここでは、営業を開始するまでに必要な主要な手続きについて詳しく解説します。

3.1 営業許可申請の流れ

飲食店営業許可は、キッチンカー営業開始前に必ず取得しなければならない最も重要な許可です。管轄する保健所に申請を行う必要があります。

申請項目 必要書類 手数料目安
飲食店営業許可申請 申請書、車両図面、設備配置図、水道設備書類 16,000円〜30,000円
車両検査 実物の車両、設備写真 検査料込み

申請から許可までは通常2〜3週間程度かかります。

3.2 食品衛生責任者の資格取得

キッチンカーでの営業には、食品衛生責任者の資格が必須となります。この資格は各都道府県の食品衛生協会が実施する講習会を受講することで取得できます

日本食品衛生協会で、最寄りの講習会情報を確認できます。

3.2.1 講習内容と取得の流れ

講習は通常1日で完了し、以下の内容が含まれます:

  • 食品衛生法の基礎知識
  • 食中毒予防の実務
  • 施設の衛生管理
  • 従事者の衛生管理

3.3 消防署への届出

プロパンガスを使用する場合、消防署への届出が必要です。火気使用設備等設置届出書を提出し、安全基準に適合していることの確認を受けなければなりません

確認項目 基準内容
消火器の設置 10型以上の消火器が必要
ガス漏れ警報器 調理場所への設置必須
換気設備 適切な換気能力の確保

3.4 その他必要な許認可

営業形態や地域によって、追加で必要となる許認可があります:

  • 道路使用許可(警察署)
  • 公園占用許可(各自治体)
  • 酒類販売免許(税務署)※アルコール提供の場合
  • 車両の営業ナンバー(陸運局)

特に道路使用許可は、出店場所ごとに申請が必要で、通常出店予定日の1週間前までに申請する必要があります

3.4.1 営業ナンバーの取得手続き

一般的な8ナンバーから営業用の4ナンバーへの変更が必要です。国土交通省のガイドラインに従って手続きを行います。

4. キッチンカーの車両選びと設備

キッチンカーの開業で最も重要な決定の一つが、車両選びです。適切な車両選択は、その後の営業効率や収益性に大きく影響します。

4.1 新車と中古車のメリットデメリット

新車を選択する場合は、初期投資は高くなりますが、故障リスクが低く、保証も充実しているというメリットがあります。一方、中古車は初期費用を抑えられますが、メンテナンス費用が必要になる可能性が高くなります。

比較項目 新車 中古車
初期費用 250-500万円 100-300万円
維持費 低め 高め
故障リスク 低い 比較的高い
カスタマイズ自由度 高い 限定的

4.2 必要な設備と機器選び

キッチンカーには、調理に必要な基本設備を効率的に配置する必要があります。限られたスペースを最大限活用するためには、多機能な機器を選択することが重要です

必須設備として以下が挙げられます:

  • 調理機器(グリドル、フライヤー、オーブン等)
  • 冷蔵・冷凍設備
  • シンク(給排水設備)
  • 換気扇・排煙設備
  • 電源設備(発電機含む)
  • 作業台・収納スペース

4.3 衛生管理設備の基準

保健所の基準に適合する衛生設備の設置が不可欠です。特に手洗い設備、給排水設備、食材の保管設備については厳格な基準が設けられています

以下の衛生設備が必要です:

  • 手洗い設備(温水供給可能なもの)
  • アルコール消毒液設置場所
  • 食材用の専用保管庫
  • 適切な容量の給水タンク
  • 排水タンク(給水タンクの1.5倍以上の容量)
  • 防虫設備

4.3.1 電源設備の詳細

電源確保は営業の安定性に直結します。発電機の選択は使用する機器の総消費電力を考慮して、余裕を持った容量のものを選ぶことが推奨されます

機器名 一般的な消費電力
業務用フライヤー 2000-3000W
冷蔵庫 400-600W
照明設備 100-200W
換気扇 150-300W

5. キッチンカーの営業場所と集客方法

5.1 営業場所の選び方と確保方法

キッチンカーの成功を左右する最も重要な要素の一つが営業場所です。理想的な営業場所の条件として、歩行者の多い場所、オフィス街、大学周辺、公園付近などが挙げられます

営業場所を確保する主な方法は以下の通りです:

営業場所タイプ 特徴 手続き方法
公道 道路使用許可が必要 所轄警察署に申請
民間駐車場 安定した営業が可能 土地所有者と契約
商業施設 集客が見込める 施設管理者と交渉

営業場所を探す際は、電気や水道の供給、ゴミ処理、駐車スペースなどのインフラ面も重要な検討ポイントとなります

5.2 イベント出店の探し方

イベント出店は安定した収入源となり得る重要な営業形態です。主なイベント情報の入手方法として:

イベント主催者や同業者とのネットワーク作りが重要で、特に地域の商工会議所や観光協会との関係構築が有効です

イベントタイプ 特徴 出店料目安
お祭り 集客力大 10,000円〜30,000円/日
マルシェ 定期開催 5,000円〜15,000円/日
企業イベント 安定収入 20,000円〜50,000円/日

5.3 SNSを活用した集客戦略

SNSでの情報発信は、営業場所やメニューの告知だけでなく、ファンの獲得と固定客化に重要な役割を果たします

効果的なSNS活用のポイント:

  • Instagram:料理の写真や動画を中心に、毎日の営業場所を投稿
  • Twitter:リアルタイムでの営業情報や在庫状況の発信
  • LINE公式アカウント:固定客向けのクーポンや特別メニューの案内

Instagramビジネスアカウントの活用により、投稿の分析や広告出稿も可能です。

5.3.1 効果的な投稿のポイント

投稿頻度は1日1-2回を目安とし、以下の要素を含めることで効果を高められます:

  • 調理過程や完成品の高品質な写真
  • 当日の営業時間と場所の明確な記載
  • 新メニューや限定メニューの告知
  • お客様の反応や口コミの共有

ハッシュタグ戦略も重要で、地域名や料理名、イベント名など、検索されやすいキーワードを効果的に活用することで、新規顧客の獲得につながります

6. メニュー開発と価格設定

キッチンカーのメニュー開発と価格設定は、ビジネスの成功を左右する重要な要素です。顧客ニーズと採算性の両立が求められます。

6.1 人気メニューの傾向と分析

キッチンカーで人気の高いメニューは、手軽に食べられる一方で、オリジナリティのある商品です。

代表的な人気メニューカテゴリー:

カテゴリー 特徴 具体例
ハンバーガー類 片手で食べられる手軽さ ご当地バーガー、スペシャルバーガー
丼もの ボリューム感と満足度 焼き肉丼、海鮮丼
揚げ物 調理の効率性が高い 唐揚げ、フライドポテト

6.2 原価計算と適正価格の設定

適正な価格設定のためには、原材料費、人件費、光熱費などすべてのコストを考慮する必要があります

一般的な価格設定の目安:

項目 割合 備考
原材料費 30-35% 仕入れ価格の変動を考慮
人件費 25-30% アルバイト雇用を含む
経費 20-25% 燃料費、消耗品費等
利益 15-20% 継続的な運営のための適正利益

6.3 季節や立地に合わせたメニュー展開

季節性を考慮したメニュー展開は、顧客満足度を高め、リピーターの獲得につながります

夏季は冷たい飲み物や軽食、冬季は温かい食事やスープ類など、季節に応じた商品展開が重要です。また、イベント会場や商業施設など、出店場所の特性に合わせたメニューの調整も必要です。

6.3.1 メニュー開発のポイント

効率的な調理動線と在庫管理を考慮し、以下の点に注意してメニューを開発します:

  • 調理時間は1品あたり5分以内を目標に
  • 共通の食材を使用した複数メニューの展開
  • 食材の保存方法と賞味期限の管理
  • 提供容器のコストと環境への配慮

また、食品衛生管理の国際基準であるHACCPに基づく衛生管理も必須です。

7. キッチンカー開業の失敗しないポイント

キッチンカーの開業は、準備さえしっかりすれば参入障壁の低いビジネスですが、その分、安易な気持ちでの参入による失敗も多く見られます。ここでは、実際の失敗事例とその対策、そして長期的な運営のためのポイントを詳しく解説します。

7.1 よくある失敗事例と対策

最も多い失敗パターンは、事前のマーケティング調査不足です。特に、出店場所の人通りや客層の調査を怠り、売上が見込めない場所で営業を続けてしまうケースが目立ちます。

主な失敗事例 具体的な対策
立地調査不足 ・平日・休日の人通りカウント
・周辺店舗の客層分析
・競合店の出店状況確認
価格設定ミス ・原価率の適正管理(28-32%目安)
・競合店との価格比較
・客単価の地域相場確認
在庫管理の失敗 ・適正在庫量の把握
・天候による需要変動の考慮
・賞味期限管理の徹底

7.2 営業継続のための必須ポイント

長期的な営業継続には、安定した売上と効率的な運営の両立が不可欠です。以下の要素を重点的に管理することで、安定した経営が可能になります。

  • 固定客の確保(SNSでの情報発信、クーポン施策)
  • 季節変動への対応(メニューの季節性)
  • 経費削減の工夫(仕入れルートの最適化)
  • 従業員教育(衛生管理、接客マナー)

7.3 繁忙期と閑散期の売上対策

キッチンカービジネスでは、季節や天候による売上の変動が大きな課題となります。計画的なイベント参加と季節に応じたメニュー展開が、安定経営の鍵となります

7.3.1 閑散期の売上確保策

冬季や雨天時の売上低下に備え、以下のような対策を講じることが重要です:

  • テイクアウト需要の取り込み
  • 法人向けケータリングサービスの展開
  • 室内イベントへの出店強化
  • デリバリーサービスとの連携

7.3.2 繁忙期の機会最大化

繁忙期には、以下の施策で売上の最大化を図ります:

  • 人気商品の提供スピード向上
  • 効率的なオペレーション体制の構築
  • スタッフの増員計画
  • 食材の適正在庫確保

キッチンカー運営の成功には、これらの要素を総合的に管理し、状況に応じて柔軟に対応することが重要です。特に開業後3ヶ月は試行錯誤の期間として位置づけ、データを収集・分析しながら運営方法を最適化していくことをおすすめします。

8. まとめ

キッチンカー開業には、平均で200万円から300万円の初期投資が必要ですが、飲食店舗と比較して大幅に抑えられることがメリットです。開業に向けては、食品衛生責任者の資格取得と保健所への営業許可申請が必須となります。車両選びでは、トヨタのハイエースやスズキのキャリイなど、使用目的に合った車種を選定し、給排水設備や換気扇などの衛生設備を適切に整備することが重要です。営業場所については、商業施設や大規模オフィス街など、人通りの多いエリアを確保しつつ、フードメディアやInstagramなどのSNSを活用した集客施策も並行して行いましょう。メニュー開発では、原価率30%を目安に、季節性も考慮した商品展開を心がけます。長期的な事業継続のためには、品質管理の徹底と、繁忙期・閑散期の売上変動に対応できる資金計画が不可欠です。準備段階で本記事の各ポイントを押さえることで、キッチンカービジネスを成功に導くことができるでしょう。

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