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キッチンカーと移動販売車の違いとは?各業態の開業費用・手続き・営業許可を分かりやすく解説

キッチンカーと移動販売車の違い?_あいあんクック

この記事を書いている人

あいあんクック社長 竹内 晋

平成3年創業、キッチンカーのパイオニアあいあんクック(AIAN COOK)社長

創業以来これまで1000台超えるキッチンカーを手掛けてきた竹内。
キッチンカーの制作販売だけでなく自らのたこ焼きのキッチンカーで得た経営のノウハウを活かし、多くのキッチンカーオーナーの開業支援も行ってきました。
決して甘くないキッチンカーの独立開業に役立つ情報を、少し厳しい言葉もありつつ愛をもって、
これからキッチンカーでの開業を考えている方、既にキッチンカーを営業されている方のお役に立てる情報を発信していきます。

目次

キッチンカーと移動販売車は、どちらも飲食の移動販売を行う手段ですが、実は明確な違いがあります。本記事では、それぞれの定義や特徴を詳細に解説し、どのような営業許可が必要か、開業にかかる費用や手続きについて分かりやすく解説します。また、それぞれのメリット・デメリットを比較し、自分に適した営業スタイルを選ぶためのヒントを提供します。

さらに、移動販売車とキッチンカーを開業するための流れをステップごとに紹介し、実際の成功事例も交えて具体的なビジネスモデルを考える手助けとなる情報をまとめました。また、営業場所の選び方や、補助金・融資制度についても詳しく解説します。

この記事を読むことで、移動販売車とキッチンカーの違いを正しく理解し、どちらが自分に適しているのかを判断できるようになります。開業を検討している方はもちろん、すでに営業している方にも役立つ内容なので、ぜひ最後までご覧ください。

1. 移動販売車とキッチンカーの違いを詳しく解説

移動販売車とキッチンカーはどちらも「移動しながら営業ができる車両」を使用したビジネスですが、その仕組みや営業許可、販売できる商品などには明確な違いがあります。この章では、それぞれの定義や特徴、メリット・デメリットについて詳しく解説します。

1.1 移動販売車とは?

移動販売車とは、あらかじめ製造・加工された商品を販売するための車両を指します。代表的なものには、焼き芋販売車、移動パン屋、新聞販売車、移動スーパーなどがあります。通常、調理を伴わず販売のみを行うため、営業許可の要件が比較的緩やかです。

移動販売車の特徴は以下の通りです。

特徴 詳細
調理 基本的には非加熱・非調理の商品を販売
営業許可 食品衛生責任者が不要な場合も多い
販売例 パン、果物、アイスクリーム、新聞、野菜、日用品など
営業スタイル 定期的にルート営業を行うスタイルが一般的

1.2 キッチンカーとは?

キッチンカーとは、車両内で調理を行い、できたての食品を提供する移動販売ビジネスのことです。主に移動式フードトラックやイベント出店型の屋台車両として利用されます。

キッチンカーの主な特徴には以下が挙げられます。

特徴 詳細
調理 車両内で加熱などの調理を伴う
営業許可 保健所の営業許可が必須。食品衛生責任者の資格が必要
販売例 ハンバーガー、たこ焼き、クレープ、カレーなど
営業スタイル イベント出店やフェス、商業施設前などで営業

1.3 移動販売車とキッチンカー、それぞれのメリット・デメリット

1.3.1 移動販売車のメリット・デメリット

移動販売車には以下のようなメリットがあります。

  • 調理を必要としないため、開業コストが安い
  • ルート営業のビジネスモデルで、リピート顧客を獲得しやすい
  • 営業許可が不要な場合がある(販売商品による)

一方で、移動販売車には以下のデメリットもあります。

  • 競争が激しく、独自性が求められる
  • 売上が安定するまで時間がかかる
  • 販売できる商品に制限がある

1.3.2 キッチンカーのメリット・デメリット

キッチンカーには以下のようなメリットがあります。

  • 調理が可能なため、差別化しやすい
  • イベントやフェスなどで高収益を狙える
  • トレンドに合わせたメニュー展開がしやすい

しかし、キッチンカーには以下のデメリットもあります。

  • 営業許可の取得が必要で手続きが多い
  • 調理設備の設置に費用がかかる
  • 販売場所の確保が課題になりやすい

このように、移動販売車とキッチンカーにはそれぞれ異なる特徴と利点があります。どちらのビジネスを選ぶかは、販売したい商品や営業スタイルに応じて判断することが重要です。

2. 移動販売車とキッチンカーに必要な営業許可

移動販売車やキッチンカーを開業するためには、適切な営業許可を取得する必要があります。これには保健所の許可をはじめ、食品衛生責任者の資格取得、さらには場所によっては道路使用許可も関わってきます。以下では、移動販売車とキッチンカーにおける具体的な営業許可の種類や手続きについて詳しく解説します。

2.1 移動販売車の営業許可

移動販売車で食品を販売する場合には、基本的に保健所の営業許可が必要になります。許可の内容は各自治体によって異なるため、事前に確認をしておくことが重要です。また、販売する食品の種類によっては、特定の許可が求められることもあります。

2.1.1 食品衛生責任者の資格取得

飲食物を扱う移動販売車を運営するためには、食品衛生責任者の資格を取得する必要があります。これは、食品の安全を確保するために設けられている制度で、各都道府県の食品衛生協会が実施する講習を受講し、所定の試験に合格することで取得可能です。

2.1.2 営業許可申請の手続き

営業許可を取得するための流れは以下の通りです。

手順 内容
1 管轄の保健所へ事前相談
2 車両の設備要件を確認し、設計・準備を行う
3 食品衛生責任者の資格取得
4 営業許可申請書と必要書類を提出
5 保健所による設備検査
6 許可証の交付

営業許可取得の際には、車両の設備基準(シンクの数や給排水設備など)が細かく定められているため、事前に保健所の指導を仰いでおくことが推奨されます。

2.2 キッチンカーの営業許可

キッチンカーの場合も、移動販売車と同様に保健所の営業許可が求められます。ただし、調理を伴う営業形態となるため、移動販売車よりも厳しい衛生管理基準が適用されることもあります。そのため、しっかりと準備をして申請を進めるようにしましょう。

2.2.1 食品衛生責任者の資格取得

キッチンカーを運営する人は、食品衛生責任者の資格を取得しなければなりません。この資格は基本的に一日講習を受ければ取得できますが、飲食店営業許可を取得するためには必須となります。

2.2.2 営業許可申請の手続き

キッチンカーの営業許可を得るために必要な手続きは次の通りです。

手順 内容
1 事前に保健所へ相談
2 車両の衛生設備を整える
3 食品衛生責任者の講習受講
4 営業許可申請を提出
5 保健所の審査と現地確認
6 営業許可証の交付

2.3 保健所への相談が重要

移動販売車やキッチンカーでは提供できる食品の種類や設備基準に制限があるため、事前に管轄の保健所へ相談することが非常に重要です。保健所の指導を踏まえて車両の設計を進めることで、スムーズに営業許可を取得できる可能性が高まります。

また、営業エリアによっては、自治体ごとに異なる追加の許可や申請が必要になることがあります。たとえば、東京都福祉保健局 では移動販売のための特定の基準が定められています。必ず最新の情報をチェックし、適切な手続きを行いましょう。

適切な営業許可を取得し、法令を遵守しながら営業することで、移動販売車やキッチンカーのビジネスをスムーズに展開することができます。

3. 移動販売車とキッチンカーの開業費用を徹底比較

移動販売車とキッチンカーの開業を検討する際に、多くの方が気になるのが必要な資金です。ここでは、それぞれの業態における開業費用の内訳や必要な資金調達方法について詳しく解説します。

3.1 移動販売車の開業費用

移動販売車の開業費用は、販売する商品や営業スタイルによって異なりますが、大きく以下の項目に分けられます。

3.1.1 車両購入費用

移動販売車として使用する車両は、新車と中古車のどちらを選ぶかによって費用が変わります。

車両種類 価格目安(万円)
新車 300~600
中古車 50~300

中古車を選べば初期費用を抑えられますが、状態によっては修理費が発生する可能性があるため注意が必要です。

3.1.2 設備費用

移動販売車には冷蔵庫、発電機、棚などの設備が必要になる場合があります。販売する商品によって設備の内容は異なりますが、一般的な設備とその費用の目安は以下の通りです。

設備名 価格目安(万円)
冷蔵庫 5~20
発電機 10~30
販売棚 5~10

3.1.3 その他費用

開業には車両や設備だけではなく、以下のような初期費用も必要になります。

  • 営業許可申請費用(1~2万円)
  • 保険・メンテナンス費用(年間5~10万円)
  • 集客用の広告・マーケティング費用(5~20万円)

3.2 キッチンカーの開業費用

キッチンカーの費用も、移動販売車と同様に車両・設備・その他費用の3つに分類できますが、調理設備が追加されるため、全体的にコストが高くなります。

3.2.1 車両購入費用

キッチンカーの車両費用は、一般的なバンや軽トラックを改造して使用する場合が多いため、その改造費用も含めた目安を以下に示します。

車両種類 価格目安(万円)
新車+改造 400~800
中古車+改造 100~500

3.2.2 設備費用

キッチンカーは火を使った調理を行うため、移動販売車よりも設備の内容が充実しています。

設備名 価格目安(万円)
ガスコンロ 10~30
フライヤー 15~40
調理台 5~15
換気設備 10~25

3.2.3 その他費用

キッチンカーでも、移動販売車と同様に営業許可や保険などの費用がかかりますが、加えてLPガスや水道設備の維持管理コストが発生します。

  • 営業許可申請費用(1~3万円)
  • 保険・点検費用(年間10~20万円)
  • 燃料・光熱費(年間10~30万円)
  • 宣伝・広告費(5~20万円)

3.3 開業資金の調達方法

移動販売車やキッチンカーの開業には一定の資金が必要ですが、自己資金が不足している場合は、公的な支援を活用できます。

3.3.1 融資制度

日本政策金融公庫や地方自治体の金融機関では、移動販売・キッチンカー事業のための融資制度が用意されています。

3.3.2 助成金・補助金

新規事業を支援する助成金・補助金も活用可能です。以下のような制度があります。

  • 中小企業庁の補助金制度
  • 地方自治体の創業助成金(各自治体のHP参照)

開業費用は準備する設備やビジネスモデルによって異なりますが、融資や助成金を活用することで、リスクを抑えながら開業することが可能です。

4. 移動販売車とキッチンカー開業の手続きをステップごとに解説

移動販売車やキッチンカーの開業には、車両の選定や改造をはじめ、各種営業許可の取得、営業場所の確保など、多くのステップが必要です。本章では、それぞれの業態に適した開業プロセスを詳しく解説します。

4.1 移動販売車の開業手続き

移動販売車の開業には、まず適切な車両の準備と、販売に必要な許可の取得が不可欠です。以下のステップに従って、順番に開業準備を進めましょう。

4.1.1 車両の購入・改造

移動販売車として使用する車両を選定し、必要に応じて改造を行います。重要なポイントは以下の通りです。

  • 販売する商品に適した車両のサイズ・設備を選ぶ
  • 冷蔵・冷凍設備、収納スペースの確保
  • 移動しながら販売できるような運転のしやすさを考慮

また、食品を扱う場合は食品衛生法に基づいた設備を整える必要があります。

4.1.2 保健所への営業許可申請

移動販売車で食品を販売する場合、各地域の保健所で営業許可を取得する必要があります。手続きの流れは以下の通りです。

手続き 内容
① 食品衛生責任者の資格取得 食品を扱う場合、各都道府県の食品衛生協会が実施する講習を受講し、資格を取得
② 申請書の作成・提出 許可申請書を作成し、車両の構造や設備を詳細に記入して提出
③ 車両設備の確認 保健所による設備の確認が行われ、基準を満たしているか審査
④ 営業許可の受領 審査合格後、営業許可証が発行され、正式に営業可能

4.1.3 道路使用許可・その他手続き

移動販売車は営業する地域や販売形態に応じて、以下の許可が必要になることがあります。

  • 公道上での営業:警察署で道路使用許可を取得
  • 商業施設の敷地内で営業:施設管理者の許可を得る
  • 駐車場など私有地での営業:地主や管理会社の承諾を得る

特に、公道での営業は交通の妨げにならないよう、事前に営業場所を選定し、安全面にも配慮することが重要です。

4.2 キッチンカーの開業手続き

キッチンカーの開業には、移動販売車の手続きに加えて、調理ができる設備や衛生基準を満たす必要があります。以下の流れで準備を進めましょう。

4.2.1 車両の購入・改造

キッチンカーで営業する場合、以下のポイントに注意して車両を選定・改造します。

  • 調理設備(コンロ・シンク・換気扇など)を備えた車両の選択
  • 水道設備(給水タンク・排水タンク)の設置
  • 衛生面を考慮した内装の設計(防水・防火仕様など)

キッチンカーは移動式飲食店とも言えるため、一般的な移動販売車より規制が厳しくなります。食品衛生法の基準を満たす設備を整えることが必要です。

4.2.2 保健所への営業許可申請

キッチンカーで食品を調理・販売するためには、営業地域の保健所へ申請を行い、営業許可を取得します。申請の流れは以下の通りです。

  1. 食品衛生責任者の資格を取得する
  2. 営業許可申請書を作成し、保健所に提出する
  3. 設備基準を満たす車両を準備し、保健所の審査を受ける
  4. 審査通過後、営業許可証を受け取る

4.2.3 道路使用許可・その他手続き

キッチンカーの営業には、営業場所に応じて異なる手続きが必要になります。

  • 公道での営業:警察署での道路使用許可が必要
  • イベント出店:主催者へ出店申請を行い、必要な手続きを確認
  • 商業施設や私有地での営業:管理者からの営業許可を取得

また、キッチンカーは調理設備を備えているため、消火器やガス設備の安全対策にも十分注意を払う必要があります。

これらの許可や準備をクリアすることで、法的に問題のない形で営業をスタートできます。

5. ケーススタディで見る移動販売車とキッチンカーの成功事例

5.1 移動販売車の成功事例

移動販売車は、特定のエリアを巡回しながら商品を販売するビジネスモデルです。特に地方の過疎地域や都市の住宅街などで需要が高まっており、成功事例も多く見られます。

5.1.1 地方で成功した移動スーパーの事例

高齢者が多い●●県の山間部では、生鮮食品を扱う移動スーパーが成功を収めています。従来のスーパーまでの移動が困難な地域住民に対し、週数回巡回して生鮮食品や日用品を販売することで、高い支持を得ています。同スーパーのオーナーは「毎回決まったルートで回ることで、地域住民にとって必要不可欠な存在となった」と述べています。

成功要因 詳細
ターゲット設定 高齢者が多い地域を狙い、日常的に必要な商品を提供
定期巡回 曜日や時間を決めてルートを回り、安定した顧客を確保
信頼関係の構築 リピーターが増え、地域に根ざした営業が可能に

このように、地域のニーズを読み取り、それに応じた商品とサービスを提供することで、移動販売車は成功につながるケースが増えています。

5.1.2 都市部で人気の移動式パン屋さんの成功事例

都市部では、オフィス街や住宅街を巡回し、焼きたてのパンを販売する移動販売車が人気です。例えば、東京都内で営業する「●●ベーカリー」は、毎朝企業のオフィス周辺を巡回し、焼きたてパンを販売することで大成功を収めています。

このパン屋では、SNSを活用して販売スケジュールを告知することで、リピーターの獲得 に成功しました。また、オフィス勤務のビジネスマンに向けて、手軽に食べられるサンドイッチやコーヒーを用意し、多くの需要を引き寄せています。

成功要因 詳細
ターゲットの明確化 オフィス街で働く人々に特化したメニュー構成
SNSの活用 販売場所や時間をリアルタイムで告知可能に
利便性の向上 コーヒーや軽食を提供し、オフィスワーカーのニーズに対応

5.2 キッチンカーの成功事例

キッチンカーは、調理設備を搭載し、出来立ての料理を提供できる移動販売手段です。特にイベントやフェスティバル、オフィス街のランチ需要に対応した成功例が増えています。

5.2.1 フェスやイベントでの成功事例

東京都内で営業する「●●バーガー」は、フェスや音楽イベントを中心に出店し、大きな成功を収めています。特に、本格的なグルメバーガーというコンセプトで他店との差別化を図りました。

また、イベントごとに特別メニューを用意し、来場者の興味を引きつける戦略を採用。SNSを使ったマーケティングも活用し、事前に販売予定を告知することで、開店前から行列ができることもあります。

成功要因 詳細
ターゲット層 イベント参加者向けに特化したメニュー展開
SNSマーケティング 販売時間やメニュー情報を発信し、顧客との接点を強化
期間限定メニュー イベントに合わせた限定メニューで話題性を高める

5.2.2 オフィス街ランチ需要を狙ったキッチンカーの事例

オフィス街では、ランチタイムに特化したキッチンカーも成功を収めています。例えば「●●カレー」は、平日の昼間にビジネス街の駐車場を利用し、スピーディーに提供できるカレー を販売することで、多くの顧客を獲得しました。

また、キャッシュレス決済に対応 したことで、並ぶ時間が短縮され、より多くの来店客を捌くことができるようになりました。

成功要因 詳細
ターゲットの明確化 オフィスワーカー向けのボリューム・スピード重視のメニュー
ロケーションの選定 昼間の人通りが多いエリアに出店
キャッシュレス決済の導入 スムーズな会計が可能となり回転率向上

このように、キッチンカーはターゲット層を明確にし、利便性と話題性を追求することで、大きな成功を収めることができます。

6. よくある質問(FAQ)

6.1 移動販売車とキッチンカーの燃料は何を使う?

移動販売車やキッチンカーの燃料にはガソリン軽油(ディーゼル)などの一般的な車両用燃料に加え、調理機材のためにプロパンガス電気を使用することがあります。

特にキッチンカーでは、業務用コンロやオーブンなどでLPガス(液化石油ガス)を使うケースが多く、使用にあたっては消防法や保健所の基準を満たす必要があります。一方、環境に配慮した電気調理器を導入することで、ガス使用を抑えることも可能です。

また、最近ではEV(電気自動車)型のキッチンカーも登場しており、発電機を使わず電力供給ができるモデルも注目されています。

6.2 移動販売車で販売できるものは?

移動販売車では、販売する商品によって営業許可の種類が異なります。以下の表に具体的な販売可能な商品と必要な許可についてまとめました。

販売商品 必要な許可 注意点
パン(包装済み) 不要 仕入れ品をそのまま販売する場合、特別な許可は不要
野菜・果物 不要 生鮮食品として販売する場合は保健所の許可不要
豆腐・アイスクリーム 食品衛生法に基づく営業許可 冷蔵・冷凍設備が必要
弁当(調理済・温めのみ) 食品衛生法に基づく営業許可 弁当の内容によっては加熱施設が必要
飲料(ペットボトル・缶) 不要 未開封品の販売は許可不要

6.3 キッチンカーで販売できるものは?

キッチンカーでは、移動販売車と異なり、基本的にその場で調理した食品を販売することが可能です。ただし、火を使う場合や生ものを扱う場合には、保健所の厳しい規定をクリアする必要があります。

販売可能な具体例としては、以下のようなものがあります。

  • 焼きそば、たこ焼き、クレープなどの加熱調理が必要な食品
  • カレーライス、ハンバーガーなどの調理済み食品の保温販売
  • コーヒー、スムージーなどの飲料販売(調理設備を伴うもの)

移動販売車との違いとして、キッチンカーは加熱設備給排水設備の設置が義務付けられている点が挙げられます。そのため、事前の設備投資や営業許可取得が必須となります。

6.4 営業場所はどうやって決める?

移動販売車やキッチンカーの営業場所の選定は、ビジネスの成功に直結する重要な要素です。基本的に営業場所を決める際のポイントは以下の通りです。

  1. ターゲット層の動線を把握する(オフィス街・住宅街・観光地など)
  2. 道路使用許可・私有地の許可を取得する
  3. キッチンカーの営業に適したイベントやフェスに出店する
  4. リピート客を増やすため、定期的に訪問するエリアを決める

特に、自治体が設けるキッチンカー専用の駐車エリアや商業施設前のスペースなどは、事前に管理者の許可を得て利用できます。また、地域ごとの条例によって営業が制限される場合もあるため、開業前に詳細を確認しましょう。

営業場所を探す際には、市場調査を行い、他のキッチンカー・移動販売車との差別化を図ることも重要です。

7. まとめ

移動販売車とキッチンカーは似ているようで異なる点が多く、特に営業許可や開業費用、販売できる食品の種類に違いがあります。移動販売車はパンや雑貨などの販売が可能ですが、キッチンカーはその場で調理する食品の提供が求められます。

営業許可の取得には保健所での手続きが不可欠であり、食品衛生責任者の資格取得も必要です。また、開業には車両購入費用や設備費用がかかるため、資金調達の計画も重要となります。日本政策金融公庫の融資や自治体の補助金を活用することで負担を軽減できます。

成功するためには、適切な営業場所の選定や許可手続きを確実に行うことが大切です。事前にケーススタディを参考にすることで、スムーズな開業が可能になります。移動販売車・キッチンカーを検討されている方は、本記事で得た情報を活用し、計画的に開業を進めましょう。

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