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あいあんクック社長 竹内 晋
平成3年創業、キッチンカーのパイオニアあいあんクック(AIAN COOK)社長
創業以来これまで1000台超えるキッチンカーを手掛けてきた竹内。
キッチンカーの制作販売だけでなく自らのたこ焼きのキッチンカーで得た経営のノウハウを活かし、多くのキッチンカーオーナーの開業支援も行ってきました。
決して甘くないキッチンカーの独立開業に役立つ情報を、少し厳しい言葉もありつつ愛をもって、
これからキッチンカーでの開業を考えている方、既にキッチンカーを営業されている方のお役に立てる情報を発信していきます。
キッチンカー開業を夢見ているあなた、必要な保険について不安を抱えていませんか? このページでは、キッチンカー開業にあたり必ず加入すべき保険の種類や費用相場、選び方のポイントまで、プロが分かりやすく徹底解説します。開業前に知っておくべき自動車保険(自賠責保険・任意保険)やPL保険はもちろん、あると安心な施設賠償責任保険や休業損害保険についても詳しく説明。さらに、保険料の相場や保険会社選びの注意点まで網羅しているので、このページを読めば、安心してキッチンカー開業の準備を進めることができます。無駄な出費を抑えつつ、必要な保障をしっかり確保するための最適な保険選びをサポートします。開業資金を抑えたい、万が一のトラブルに備えたい、そんなあなたの疑問を解消し、スムーズな開業を実現しましょう。
キッチンカービジネスを始めるにあたって、必ず加入が必要な保険は、主に「自動車保険」と「PL保険(生産物賠償責任保険)」です。これらは法律で義務付けられているもの、または食品営業許可取得の要件となっているもので、未加入の場合、営業活動を行うことができません。
キッチンカーは自動車であるため、公道を走行する以上、自賠責保険への加入は法律で義務付けられています。自賠責保険は、交通事故の被害者に対して最低限の補償を行うもので、対人賠償のみを対象としています。対物賠償や搭乗者傷害は補償されません。
自賠責保険は、被害者救済を目的とした強制保険です。未加入の場合、罰則が科せられるだけでなく、営業許可も取得できません。補償範囲は限定的であるため、十分な補償を得るためには任意保険への加入が強く推奨されます。
詳しくは国土交通省のウェブサイトをご覧ください。
自賠責保険では補償されない対物賠償や搭乗者傷害、車両保険などをカバーするのが任意保険です。事故を起こした場合の経済的負担を軽減するために、任意保険への加入は必須と言えるでしょう。キッチンカーの構造や用途に合わせた適切な補償内容を選択することが重要です。対人賠償は無制限に設定することをおすすめします。
任意保険を選ぶ際には、ソニー損保や東京海上日動など、複数の保険会社のプランを比較検討し、自身に最適なプランを選ぶことが大切です。
キッチンカーで食品を販売するには、保健所から食品営業許可を取得する必要があります。その要件の一つとして、PL保険(生産物賠償責任保険)への加入が義務付けられています。
PL保険は、提供した食品によって顧客が食中毒などの健康被害を被った場合に備える保険です。食品営業許可を取得するためには、PL保険への加入が必須となります。補償内容や保険料は保険会社によって異なるため、複数の保険会社を比較検討し、自身の事業内容に合ったプランを選択しましょう。
項目 | 自賠責保険 | 任意保険 | PL保険 |
---|---|---|---|
加入義務 | あり(法律) | なし | あり(食品営業許可取得要件) |
補償対象 | 対人賠償(被害者への最低限の補償) | 対人賠償、対物賠償、搭乗者傷害、車両保険など | 食品による健康被害(食中毒など) |
費用 | 車種によって異なる(比較的安価) | 車種、補償内容によって異なる | 事業規模、補償内容によって異なる |
PL保険について詳しくは、ニッセイ基礎研究所のレポートも参考になります。
必須ではありませんが、キッチンカー開業後に想定される様々なリスクに備えるため、以下の保険への加入を検討しましょう。
キッチンカーの営業中に、お客様や第三者にケガをさせたり、他人の財物を損壊させてしまった場合に備える保険です。例えば、調理器具の落下や、お客様の転倒などが考えられます。対人賠償と対物賠償の両方が補償されるため、万が一の事故発生時に、賠償金や訴訟費用などを負担する必要がなくなります。また、火災や爆発による損害賠償にも対応している場合があります。出店場所によっては、施設賠償責任保険への加入が必須条件となっている場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
詳しくは損保ジャパンの施設賠償責任保険のページをご覧ください。
キッチンカーの車両事故や火災、自然災害などにより営業ができなくなった場合、その間の売上減少による損害を補償する保険です。キッチンカーが営業停止になると収入が途絶えてしまうため、生活費やローンの返済などに影響が出かねません。休業損害保険に加入しておけば、一定期間の休業による損害を補填してくれるので、事業継続に役立ちます。
詳しくは東京海上日動の休業損害保険のページをご覧ください。
新型コロナウイルス感染症の流行など、予測できない外的要因によって売上が減少した場合に、その損失を補償する保険です。パンデミックや自然災害など、事業主の努力ではどうにもならない事態によって売上が減少した場合に備えることができます。休業損害保険と併せて検討することで、より強固な事業継続体制を築くことが可能です。
食品事故やお客様とのトラブルなどで弁護士に相談したり、訴訟を起こす際に発生する費用を補償する保険です。近年、食の安全に対する意識が高まっており、軽微なトラブルでも訴訟に発展する可能性があります。弁護士費用保険に加入しておけば、高額な弁護士費用を負担せずに済み、安心して法的対応を進めることができます。
保険の種類 | 補償内容 | メリット |
---|---|---|
施設賠償責任保険 | お客様や第三者へのケガ、財物損壊に対する賠償責任 | 事故発生時の賠償金や訴訟費用を負担する必要がない |
休業損害保険 | 車両事故や火災、自然災害などによる営業停止中の売上減少に対する補償 | 事業継続のための資金を確保できる |
売上減少保険 | 予測できない外的要因による売上減少に対する補償 | 事業の安定化に貢献 |
弁護士費用保険 | 食品事故やお客様とのトラブル発生時の弁護士費用 | 法的対応を安心して進めることができる |
これらの保険は、事業規模や内容、出店場所などによって必要な補償内容や保険料が異なります。複数の保険会社から見積もりを取り、自身に最適なプランを選ぶことが重要です。保険代理店などに相談することで、適切なアドバイスを受けることができます。
キッチンカーの営業には、適切な自動車保険の選択が不可欠です。事故やトラブル発生時のリスク軽減だけでなく、円滑な事業継続のためにも重要な役割を果たします。単に「保険に入っていれば大丈夫」ではなく、事業内容に合わせた最適な補償内容を選ぶことが大切です。
キッチンカーは、設備投資や商品の仕入れなど、開業に多額の費用がかかります。事故で車両が損傷した場合、修理費用だけでなく、営業できない間の損失も大きな負担となります。車両保険に加入することで、車両の修理費用をカバーできるだけでなく、休業による損失を補填する休業損害保険との組み合わせも検討できます。車両保険は、車両の損害を補償するものであり、相手への賠償は対物賠償保険でカバーされます。
車両保険には、一般型、エコノミー型、車両全損時保障型など、様々な種類があります。それぞれ補償範囲や保険料が異なるため、自身のニーズや予算に合わせて選ぶことが重要です。例えば、新車や高額な改造を施したキッチンカーの場合は、一般型を選択することで、幅広い事故や災害に対応できます。一方、中古車で車両価格が低い場合は、エコノミー型や車両全損時保障型を検討することで、保険料を抑えつつ、必要な保障を確保できます。以下の表を参考に、それぞれのタイプの特徴を比較検討してみましょう。
種類 | 補償範囲 | 保険料 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
一般型 | 事故・災害・盗難・当て逃げなど幅広い補償 | 高め | 最も手厚い補償を受けられる | 保険料が高い |
エコノミー型 | 衝突・落書き・火災など限定的な補償 | 一般型より安価 | 保険料を抑えられる | 補償範囲が狭い |
車両全損時保障型 | 車両の全損時のみ補償 | 最も安価 | 保険料を最小限に抑えられる | 一部損は補償されない |
詳しくはソニー損保の自動車保険などを参考にしてください。
キッチンカーは、イベント会場や路上など、様々な場所で営業を行います。そのため、予期せぬトラブルが発生する可能性も高く、ロードサービスへの加入は重要です。バッテリー上がりやタイヤのパンク、キーの閉じ込めなど、トラブル発生時の迅速な対応は、事業の継続性を確保するために不可欠です。ロードサービスの内容は保険会社によって異なるため、レッカー移動の距離や費用、対応範囲などを事前に確認しておくことが大切です。例えば、JAFロードサービスJAFのロードサービスでは、様々なロードサービスを提供しています。保険会社のロードサービスと比較検討し、自分に合ったサービスを選択しましょう。
ロードサービスを選ぶ際には、以下の項目を確認しましょう。
キッチンカー開業にかかる費用の中でも、保険料は大きな割合を占めます。事前に費用相場を把握しておくことで、資金計画をスムーズに進めることができます。ここでは、キッチンカー開業に必要な主な保険の費用相場について解説します。
キッチンカーの自動車保険は、自家用車とは異なり貨物車として扱われます。そのため、自家用車よりも保険料が高くなる傾向があります。また、車両の用途や大きさ、運転者の年齢や等級、補償内容などによって保険料は大きく変動します。
おおよその目安として、年間10万円~20万円程度が相場となります。ただし、これはあくまで目安であり、実際には個々の状況によって大きく異なるため、複数の保険会社から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
補償内容 | 相場 |
---|---|
対人賠償 | 無制限 |
対物賠償 | 無制限 |
人身傷害 | 3,000万円~5,000万円 |
車両保険 | 時価額 |
車両保険は、車両の修理費用を補償するもので、必須ではありませんが、高額な修理費用が発生した場合に備えて加入を検討することをおすすめします。車両保険には、一般型、エコノミー型、車両保険なしなど、複数の種類があります。それぞれの補償内容と保険料を比較し、自身に合ったものを選びましょう。
より詳しい情報はソニー損保の自動車保険のサイトで確認できます。
PL保険は、食品を扱うキッチンカーにとって必須の保険です。提供した食品によってお客様が食中毒などの健康被害を被った場合に、賠償責任を負うことになります。PL保険に加入していれば、賠償金や訴訟費用などを補償してもらえます。
PL保険の費用相場は、年間1万円~3万円程度です。補償金額や保険会社の規模によって保険料は変動します。事業規模やリスクに応じて適切な補償金額を設定することが重要です。
飲食店向けPL保険について東京海上日動のサイトで詳しく解説されています。
施設賠償責任保険は、キッチンカーの営業中に、お客様や第三者にケガをさせたり、財物を損壊させたりした場合の賠償責任を補償する保険です。イベント出店時などに必須となる場合もあります。
施設賠償責任保険の費用相場は、年間5千円~2万円程度です。補償金額や保険会社の規模によって保険料は変動します。
休業損害保険は、キッチンカーが事故や災害などで営業できない期間の損失を補償する保険です。車両の修理期間や、イベント中止による損失などを補償してもらえます。
休業損害保険の費用相場は、年間数万円~数十万円程度と幅があります。補償金額や営業規模、休業期間などによって保険料は大きく変動します。
休業損害保険についてAIG損害保険株式会社のサイトで詳しく解説されています。
上記以外にも、火災保険や盗難保険など、キッチンカーに関連する様々な保険があります。それぞれの保険の必要性を検討し、自身のリスク管理に最適な保険を選択することが重要です。複数の保険会社から見積もりを取り、補償内容や保険料を比較検討することをおすすめします。また、保険代理店などに相談することで、最適な保険プランを提案してもらえる場合もあります。
キッチンカーの保険加入にあたっては、いくつかの注意点があります。契約前にこれらの点を確認することで、想定外のトラブルや損失を防ぐことができます。しっかりと確認し、自身に最適な保険を選びましょう。
保険会社によって、保険料や補償内容、サービス内容が異なります。複数の保険会社を比較検討し、自身に合った保険会社を選びましょう。比較サイトや一括見積もりサービスなどを活用すると便利です。
保険料の安さだけで判断せず、補償内容やサービス内容も重視しましょう。例えば、ロードサービスの充実度や事故対応の迅速さなども重要なポイントです。
また、キッチンカーに特化した保険商品を扱っている保険会社を選ぶことも重要です。キッチンカー特有のリスクを理解し、適切な補償を提供してくれる保険会社を選びましょう。例えば、食品の賠償責任や設備の損害など、キッチンカー特有のリスクに対応した保険商品を提供している会社もあります。
代理店型と通販型でどちらが良いか検討しましょう。代理店型は担当者から直接説明を受けられるため、保険について詳しくない方におすすめです。通販型はインターネットで手続きが完結するため、手軽に加入できます。それぞれのメリット・デメリットを比較し、自身に合ったタイプを選びましょう。
タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
代理店型 | 担当者から直接説明を受けられる | 保険料が割高な場合がある |
通販型 | 保険料が割安な場合がある、手続きが手軽 | 自身で保険内容を理解する必要がある |
参考:損害保険協会
保険に加入する前に、補償内容をしっかりと確認しましょう。特に、免責事項や補償の範囲、限度額などを確認することが重要です。契約後に「こんなはずではなかった」とならないように、不明点があれば保険会社に問い合わせて確認しましょう。
車両保険は、自分の車の修理費用を補償する保険です。車両保険には、一般車両保険と限定車両保険があります。一般車両保険は、事故の種類を問わず補償されますが、保険料が高くなります。限定車両保険は、特定の事故の場合のみ補償されますが、保険料が安くなります。自身の運転頻度や車の価値などを考慮して、どちらの車両保険に加入するか検討しましょう。
賠償責任保険は、他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合の損害賠償を補償する保険です。対人賠償責任保険と対物賠償責任保険があります。対人賠償責任保険は、法律で加入が義務付けられています。対物賠償責任保険は任意ですが、高額な賠償責任が発生する可能性があるため、加入することをおすすめします。限度額はできるだけ高く設定しておきましょう。
PL保険(生産物賠償責任保険)は、提供した食品によってお客様が食中毒になった場合などの損害賠償を補償する保険です。キッチンカー営業を行う上で必須の保険です。補償範囲や限度額をしっかりと確認しましょう。
参考:経済産業省 製品安全ガイド
定期的に保険内容を見直すことも重要です。事業規模の拡大や車両の変更など、状況の変化に応じて必要な補償内容も変わってきます。少なくとも1年に1度は保険内容を見直し、必要に応じて補償内容を変更したり、新たな保険に加入したりしましょう。
キッチンカー開業にあたり、保険に関してよくある質問をまとめました。疑問を解消し、安心して開業準備を進めましょう。
キッチンカーの自動車保険は自家用車とは異なります。自家用車は自家用自動車保険に加入しますが、キッチンカーは事業用自動車保険に加入する必要があります。自家用自動車保険でキッチンカーを運転した場合、事故時に保険金が支払われない可能性があります。事業用の車両には、事業用自動車保険への加入が必須です。また、キッチンカーの構造や用途に合わせて適切な補償内容を選択することが重要です。
PL保険は、損害保険会社や少額短期保険会社で加入できます。インターネットで検索したり、保険代理店に相談したりすることで、複数の保険会社の商品を比較し、自分に合ったPL保険を選ぶことができます。また、一部の事業者団体が団体割引でPL保険を提供している場合もあります。費用や補償内容をよく確認し、最適なPL保険を選びましょう。
例えば、損保ジャパンや東京海上日動などの大手損害保険会社、あるいはAIG損害保険などの外資系損害保険会社もPL保険を取り扱っています。
キッチンカーに関連する保険の中には、保険料控除の対象となるものがあります。具体的には、以下の保険が該当します。
保険の種類 | 控除の種類 | 注意点 |
---|---|---|
任意保険(対人賠償責任保険、対物賠償責任保険など) | 所得控除 | 一定の要件を満たす場合のみ |
小規模企業共済等掛金控除 | 所得控除 | 個人事業主または会社役員の場合 |
ただし、自賠責保険やPL保険は保険料控除の対象外です。控除を受けるためには、確定申告時に必要な書類を提出する必要があります。詳しくは、国税庁のウェブサイトなどを参照してください。
キッチンカーで事故を起こした場合は、速やかに以下の手順を踏むことが重要です。
事故の状況によっては、弁護士や専門家への相談が必要となる場合もあります。慌てずに適切な対応を行いましょう。
キッチンカーの保険料は、様々な要素によって決定されます。主な要素は以下の通りです。
これらの要素を考慮し、複数の保険会社から見積もりを取得して比較検討することが重要です。
この記事では、キッチンカー開業に必要な保険について、自動車保険、PL保険を中心に解説しました。キッチンカーを営業する上で、自賠責保険とPL保険は必須です。任意保険や施設賠償責任保険、休業損害保険への加入は必須ではありませんが、想定外の事故やトラブル発生時のリスク軽減を考慮すると、加入を強くおすすめします。
保険を選ぶ際には、事業内容や車両の種類、予算に合わせて最適なプランを選びましょう。保険料の安さだけで判断するのではなく、補償内容をしっかりと確認することが重要です。各社のプランを比較検討し、不明点は保険会社に直接問い合わせるなどして、疑問を解消してから加入しましょう。万が一の事故に備え、適切な保険に加入することで、安心してキッチンカー事業を運営できます。
移動販売車やキッチンカーに始めるにあたって、
一番大切な開業相談は代表竹内晋がみずからおこなっております。
竹内は、みずからもたこ焼きの移動販売でキッチンカーを始め、
さまざまなキッチンカーを育ててきました。
具体的な開業内容が決まっている方も、まだまだ構想段階の方も、
開業相談にぜひいらしてください。
また、「体験会に参加したい」という方もご相談ください。
体験会では実際のキッチンカーで調理をおこない、
接客なども体験することができます。
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