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キッチンカーの複数台展開を考える7つの経営ポイント

この記事を書いている人

あいあんクック社長 竹内 晋

平成3年創業、キッチンカーのパイオニアあいあんクック(AIAN COOK)社長

創業以来これまで1000台超えるキッチンカーを手掛けてきた竹内。
キッチンカーの制作販売だけでなく自らのたこ焼きのキッチンカーで得た経営のノウハウを活かし、多くのキッチンカーオーナーの開業支援も行ってきました。
決して甘くないキッチンカーの独立開業に役立つ情報を、少し厳しい言葉もありつつ愛をもって、
これからキッチンカーでの開業を考えている方、既にキッチンカーを営業されている方のお役に立てる情報を発信していきます。

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目次

一台目の営業が安定してくると、「出店依頼を断らずに済むよう二台目を持ちたい」「別エリアでも販売したい」と考えることがあります。複数台展開は売上機会を増やす可能性がありますが、車両を増やせばそのまま利益が倍になるわけではありません。

スタッフ、仕込み場所、資金繰り、整備など、一台運営では目立ちにくかった課題が大きくなります。法人化も同様に、規模だけで判断せず、目的と費用を整理することが大切です。

今回は、キッチンカー経営で複数台展開を検討するときの7つのポイントを紹介します。

1.二台目が必要な理由を数字にする

「忙しいから」「依頼が増えたから」だけでは、二台目の投資判断が曖昧になります。まず、断った案件や重複した出店依頼を記録しましょう。

確認したい項目は次のとおりです。

  • 依頼を断った回数
  • 想定売上と利益
  • 出店時期と曜日
  • 必要なスタッフ数
  • 出店先までの距離
  • 一台目だけでは対応できない理由
  • 同じ依頼が継続する可能性

一時的な繁忙期だけであれば、コラボ出店やスタッフ増員で対応できる可能性もあります。

2.車両代以外の初期費用を計算する

二台目には、車両と厨房設備以外にも費用がかかります。

  • 調理器具
  • 冷蔵・冷凍設備
  • 発電機や電源用品
  • 決済端末
  • 看板とメニュー
  • 容器や消耗品
  • 保険
  • 駐車場
  • 営業許可に関する費用
  • 通信機器
  • 整備・車検費用

価格を比較する際は、必要な改造や登録まで含めて考えましょう。キッチンカー中古車は購入費用を抑えられる場合がありますが、設備の状態や修理費も確認が必要です。

3.一台ごとの利益を見える化する

売上を合算すると、どちらの車両が利益を出しているか分かりにくくなります。車両ごとに売上、原価、人件費、出店料、移動費、決済手数料を記録しましょう。

共通の仕込み場所やスタッフを使う場合は、費用の配分方法も決めます。たとえば、食数、営業時間、売上比率など、同じ基準で継続して比較します。

月間売上だけでなく、一営業あたり、一時間あたりの利益も確認してください。

4.オーナー不在でも営業できる仕組みを作る

二台を同時に営業すると、オーナーは両方の現場に立てません。スタッフが判断できる範囲を決め、手順書を整える必要があります。

手順書に入れたい内容は次のとおりです。

  • 営業前の設備確認
  • 食材と包材の積み込み
  • 会計・返金の方法
  • 売り切れ時の対応
  • アレルギーに関する案内
  • 機器異常時の使用停止基準
  • 雨天・強風時の連絡先
  • ゴミと排水の処理
  • 売上金の管理
  • 撤収後の報告

細かな判断をすべて電話で確認する状態では、複数台展開の負担が増えます。

5.二台のメニューを同じにするか決める

メニューを統一すると、仕入れ、仕込み、教育を共通化しやすくなります。一方、出店先に合わせて別業態にすれば、依頼の幅が広がる可能性があります。

別メニューにする場合は、食材、設備、包材、スタッフ教育も別になる点に注意が必要です。料理名だけを変えても、調理工程が複雑なら運営負担は増えます。

まずは主力商品と作業手順を共通化し、出店先に応じて一部だけ変える方法もあります。

6.故障・車検時の運用を決める

複数台あっても、故障した車両の設備やメニューをもう一台へ移せるとは限りません。車両サイズ、電気容量、換気、営業許可の条件が異なる場合があるためです。

車両ごとに次の情報を管理しましょう。

  • 車検期限
  • 定期点検予定
  • タイヤやバッテリーの交換履歴
  • 冷蔵・加熱機器の点検記録
  • 修理履歴
  • 繁忙期と予約済み案件
  • 代替営業の可否

キッチンカー修理の日程を繁忙期と重ねないよう、早めに相談することが大切です。

7.法人化は目的と維持費を整理する

法人化には、取引先との契約、採用、資金調達、事業の分離など、さまざまな目的があります。一方、設立費用や毎年の申告、社会保険、専門家への依頼費用なども発生します。

「売上がいくらになったら必ず法人化すべき」と一律に判断することはできません。現在の利益、家族構成、採用予定、取引先の条件などによって適した時期は変わります。

税理士や社会保険労務士など、必要な専門家へ具体的な数字を示して相談しましょう。

複数台展開前に作りたい資金計画

二台目の開業資金だけでなく、売上が安定するまでの運転資金も準備します。

  • 車両・製作費
  • 許可や登録関連費
  • 保険と駐車場
  • 初回仕入れ
  • 採用・教育費
  • 人件費
  • 広告・販促費
  • 整備・修理の予備費
  • 売上入金までの立替資金

企業案件では入金まで時間がかかる場合もあります。帳簿上は売上があっても、手元資金が不足する可能性を考えましょう。

車両をそろえる前に営業モデルを相談する

二台を同時運営するなら、各車両の役割、メニュー、目標食数、スタッフ人数を先に決める必要があります。

これはキッチンカー製作の段階から工夫できます。機器や収納を共通化すれば、スタッフが車両を替わっても作業しやすくなる場合があります。反対に、出店先ごとに必要な車両サイズを変える考え方もあります。

まとめ|二台目より先に仕組みを増やそう

キッチンカーの複数台展開では、車両購入の前に、利益管理、スタッフ教育、仕込み、整備、資金繰りの仕組みを作ることが重要です。法人化についても、規模の印象ではなく具体的な目的と数字で判断しましょう。

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